————次の日の朝。
あたしはアジトの裏手にある小さな公園に来ていた。
理由はさっき届いたこのメール。
“裏の公園に来い”
“お前の実力を見ておきたい”
差出人は"ゴミ屋さん"
一体なんの実力だろう。
もしかして、ゴミ拾いの実力だろうか。
気になったあたしは言われた通りここへ来た。
片手にホウキと、一人男を引き連れて。
“……ヌボ〜……”
この、ひたすらボーっとした色白のヒョロヒョロ男。さっき無理やり起こして連れてきた。
だって、一人で出歩くのはダメだと、陽菜があたしに言ったから。
男も奏太の家で暮らしてる。
朝に弱い扇龍だけど、こいつの場合、朝昼晩、なんだかいつも眠そうだ。
……まったく。
ご飯の時だけはシャンとして、ガツガツ人の分まで食べるのに。
「あたしそうじする。終わるまで待ってて」
そう言うと、男はベンチに横になる。
すぐにイビキをかいて寝始めた。
……さて、
あたしはぐるり公園を見渡す。
見たかんじ、そんなに散らかってはいないけど……
——ザッザッ……
取り合えず、落ち葉や小石をはいてみる。
土ぼこりが舞い上がり、たちまち辺りが白っぽくなった。
「…………」
少しして嫌な気配に手を止めた。
感じたことのある気配……
これは——、
「……あ、」
モヤの中に三人の男。
バキがそこに立っていた。
……なんだ。
なかなか来ないと思ったら、今ごろ少しやって来たのか。
「「「……てめえっ!!」」」
怒りをあらわに、男たちが近付いてくる。
——サア~……
視界が晴れたその直後、
——パアンッ! ドカッ!
頬に平手が、体に蹴りが飛んできた。