SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし




「——うん。全然、大丈夫だよ。 ……あ、そうだ。そういえばあたしの置いてた水色バック、燃やさないで。 ……えっと、爆弾人形かもしれない。 ……湧人? 落ち着いて?」


————————————


「もしもし。 ……あ、久しぶり。いろいろあって。 ……そうなの?」


————————————


「……え。 うん、よく分かったね。そうなんだ。実は——」


タイミングが合ったのか切ったと思ったらすぐ着信……

次から次に着信、着信……



「あ〜、わかった黒木。うん、あたしは全然平気だから。 ……フェノメナ? ボディ変化兄弟? まだ捕まえてなかったんだ? ……うん、気をつけて。じゃあ」


……はあ~。


一段落し、あたしはグッタリしてしまう。


……もう、


心配だったり、図星だったり、質問だったり、説明だったり……疲れた。

すると、


「……終わったか?」


うしろから声が飛んできた。


「……あ、」


いつからいたんだろう。

壁にもたれた格好で、奏太がタバコを吸っている。


……あれ。もしかして……



「……奏太。あたしの話す電話、聞いてた?」


「……あ?」


「あたし、変な事言ってなかった?」


電話の内容を思い出す。

さっきは気にせず、かなりいろいろ喋ってしまった。


「……何も聞こえてない。それに、おまえが変な事を言うのは昨日からずっとそうだろう」


何でもない顔で奏太は “ フウ~ ” と煙を吐く。

タバコの火を消し、壁からスッと背を離した。