調子狂うのはこっちなのだ。
あたしには分かった事がある。
この男、月島奏太は
“ 心と体にズレがある ”
何て言えばいいのだろう。
いつもは切れ味鋭いナイフを装ってるけど、本来はもっと無邪気というか……
心の奥に、別の奏太を感じるのだ。
たまに、あたしのESPがなにか察知して、さっきみたいに無意識に言葉が出るのだけど、言うたび怒られ呆れられ……
奏太とは何かうまく噛み合わない。
……まったく、
「ねえ奏太。なんでそんなにズレてるの?」
「……っ、おまえだろう! ズレているのは!」
……ほら、言えばやっぱりまた怒る。
「「……はあ〜、」」
深いため息が重なった。
……でも——、
あたしは横目で奏太を見る。
奏太は悪いやつじゃない。
謝る所は謝るし、ズレてる割に、ちゃんと自分の中の正義がある。
昨日は自らあたしのおもり? 面倒をみるとか言っていて、
そんな奏太に、みんなすごく驚いてた。
『アイツ、よっぽどおめえに負い目あんだな。普段は滅多に人となんか行動しねえ一匹狼のクセによお』
小さな瞳をパチクリさせて、テルはあたしにそう言った。
…… 一匹狼……?
そこに反応してしまう。
いや、オオカミというより、むしろ……
「奏太はアライグマに似てると思う」
“ ジロリ ” 無言で睨まれた。
すると、
「奏太っ! 大変だよっ!」
慌ただしくアオがこっちに走ってくる。
「鈴原の、昨日の覇鬼のアジトが爆発炎上したらしい!」
「なにっ!」
——ザワッ!
たちまちアジトに緊張が走った。


