SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし



調子狂うのはこっちなのだ。

あたしには分かった事がある。

この男、月島奏太は


“ 心と体にズレがある ”


何て言えばいいのだろう。

いつもは切れ味鋭いナイフを装ってるけど、本来はもっと無邪気というか……

心の奥に、別の奏太を感じるのだ。


たまに、あたしのESPがなにか察知して、さっきみたいに無意識に言葉が出るのだけど、言うたび怒られ呆れられ……

奏太とは何かうまく噛み合わない。


……まったく、


「ねえ奏太。なんでそんなにズレてるの?」


「……っ、おまえだろう! ズレているのは!」


……ほら、言えばやっぱりまた怒る。


「「……はあ〜、」」


深いため息が重なった。


……でも——、

あたしは横目で奏太を見る。

奏太は悪いやつじゃない。

謝る所は謝るし、ズレてる割に、ちゃんと自分の中の正義がある。

昨日は自らあたしのおもり? 面倒をみるとか言っていて、

そんな奏太に、みんなすごく驚いてた。



『アイツ、よっぽどおめえに負い目あんだな。普段は滅多に人となんか行動しねえ一匹狼のクセによお』


小さな瞳をパチクリさせて、テルはあたしにそう言った。


…… 一匹狼……?


そこに反応してしまう。

いや、オオカミというより、むしろ……


「奏太はアライグマに似てると思う」


“ ジロリ ” 無言で睨まれた。

すると、


「奏太っ! 大変だよっ!」


慌ただしくアオがこっちに走ってくる。


「鈴原の、昨日の覇鬼のアジトが爆発炎上したらしい!」

「なにっ!」

——ザワッ!

たちまちアジトに緊張が走った。