SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

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「……んでえ、前はココ、公設市場つって商業施設だったワケ」

「いろんな店入っててさ。ほら、だから店の看板多いっしょ?」


「……へぇ、」


「……ま、それ以外はインテリア担当の趣味なんだけどね〜」


少年たちとそんな話をしてる頃、

アジトには、もうすでにたくさんのメンバーたちが集まってきていた。



「……ねえ。扇龍って何人ぐらいいるの?」


あたしは少年たちに聞いてみる。


「……ああ、んっと……」
「……300人ぐらいか?」
「んや、正確には297人だ」


「……そんなに?」


「最初は6人から始まって、今じゃ膨れ上がって大所帯!」

「みんな幹部たちに憧れて扇龍に加入してきたんだ」


……?


「えっと、奏太が総長で、あとは……」


「幹部はテル、蒼、箔、哲平、あと岩男もだ」

「みんな相当強えけど……」

「特に奏太さんは別格なんだ。そりゃあスゲえのなんのって……」

「みんなあの強さに惚れ込んでんだ。追いつきたくて日々努力してるしな」


「……へえ、」


……そっか。

あいつら、みんな強いんだ。


……? ……あれ。

だったら、あたしがいなくても……


「じゃあ扇龍なら、バキを全滅できるってこと? 」


「「「「…………」」」」


何故かみんなの動きが止まる。


「……そ、れは……」
「ちょっと問題が……」

「あっちの兵隊千人超えだし」
「いろいろ、複雑なんだよね」


少年たちは言葉をにごし、それぞれ顔を見合わせた。

すると、


「「「おはようございますっ!!」」」


ピンと空気が張り詰める。
一段と大きなあいさつが響き渡った。


「…………」


やって来たのは月島奏太。


「「「おはようございます!!」」」


あたしを囲っていた少年たちも立ち上がり、奏太にペコッと頭を下げた。

風を切り、奏太が目の前を歩いてゆく……


「おう、おめえら! やってっか!」


遅れて、イワオ以外の幹部たちも、あたしの前を過ぎていった。