「…………」
よく、分からないけど、恩人って……
その言葉にドンと胸が重くなる。
恩人どころか、あたしのせいで扇龍はとばっちりだと思うのに。
「……ちがう」
あたしは思わずこぼしてしまう。
「あたしのせいでみんな迷惑。大変がこれからやってくるんだ」
「「……はい?」」
二人は顔を見合わせる。
すぐに “ ああ~ ” と頷いた。
「スンマセン、はしゃいじゃって……」
「……ですよね。確かに、美空さんにとっては災難スよね……」
目を泳がせ、二人は気まずそうな顔をする。
「でも、安心して下さい! 美空さんには扇龍が付いてるんスから!」
「全然迷惑なんかじゃないっスよ! 美空さんは扇龍の恩人じゃないスか!」
二人は “ フン ” と鼻息を荒くした。
「だから災難なのは——」
——災難なのはみんなの方。
言い切る前にキツネ二人に声がかかる。
「あ! オレら行かなきゃ!」
「すんません! 下っ端はいろいろとやる事があって……」
二人はバタバタ走って行った。
「…………」
相変わらず、うまく言葉も伝えられない。
これじゃあ、さっきの事を話したとしても、混乱させてしまうだけ。
またいろいろ聞かれても面倒だし、
ここはあえて余計な事は言わないで、しばらく様子をみようかな……
……よし。
「やあ、どうなの?」
取り合えず少年の群れに混ざってみる。
「「「……⁉︎」」」
「……ええっと……」
「すげえスッと入ってきますね」
少年たちは拍子抜けした顔をした。


