SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし



午後になると陽菜の言った通り、メンバーがちらほら集まってきた。


「……陽菜さんハヨっす……」
「……お、おつかれっス……」


「……あ、 ……おはよう……」


昼もだいぶ過ぎてるのに、おはようとみんなが口にする。


……でも、 なんか変。


みんな笑顔と態度がよそよそしい。

陽菜と少年たちの間に微妙な空気が流れている。

それに、


「あっ! おはようございますっ!」
「……お、お疲れ様でございますっ!」


こっちはこっちで何か、変。

少年たちは緊張した顔であたしに声をかけてくる。

すると、


「「みくさ~ん!!」」


昨日の金髪二人組があたしの所へやってきた。


……あ。


「キツネくん!」


「……ちがうっス。キネヅキ……」
「……まあ、別にいいスけど……」


昨日聞いて分かったこと、

それはこの二人が双子の兄弟だという事。


「そんな事より!」
「聞きましたよいろいろ!」


目を見開き、二人は息を弾ませる。


「ホントなんスか⁉︎」
「美空さんが二度も扇龍の危機を救ったって!」


「……?」


……ああ、そうか。

昨日、中学生は早くに帰されてたから、キツネ二人はあたしたちの会話を聞いていないのか。


「……まあ、偶然」


「マジすかっ!!」
「ヤッバ! めちゃ衝撃なんスけどっ!」


二人は瞳を輝かせる。


「しかも美空さん、総長や幹部たちに食ってかかったとかっ!」

「あの総長を振り回したとかなんとかっ!」


「……え、」


確かにいろいろ面倒なやり取りはあったけど、

別に食ってないし。

振り回してもないと思うけど……



「もう恩人ってだけで頭が上がらないのに!」

「総長をも恐れぬ堂々とした態度ってどんだけなんスか! 今その話題でみんな持ちきりっスよ! 美空さん一目置かれてるっス!」


興奮しながらキツネは喋った。