SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

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"……ブウウーーン……"


新聞配達のバイクとすれ違う。


……う~ん?


ゆっくり歩きながら、あたしはさっきの男たちの言葉を思い出していた。



『テメエだろーが! くせえバック置いてったのはッ!』

『あんまりクセエから燃やしてやったらこのザマだッ!』



腐ったサンドウィッチのせいで、たしかにバックは臭かった。

だから奴らはバックを燃やして……


……? バックが爆発したってこと?


「 ! 」


あたしは黒木の言葉を思い出す。



『ミクう~? 一個お守り入れとくゾ? イザって時には燃やして投げろ! ちっちゃくてもナカナカだぜえ~♪』


そう言って、黒木はウサギの人形をバックにつめた。

あやしい笑みを浮かべながら……


「…………」


……そっか……


あのウサギ、やけに重いと思ったら


——"爆弾"だったのか……


だからアジトがふっ飛んで、あいつらすごく怒ってたんだ。


……でも、


あたしはちょっと引っかかる。

男たちはあたしを扇龍の女と言った。

凄まじい殺気で、全員を処刑するとか、必ず借りは返すとか……


——ピタ!

あたしは立ち止まる。


……もしかして、

あたしのせいで、扇龍が何か危ないの?


「…………」


あたしはクルリと進行方向を変える。

このまま家に帰ってしまおうと思ったけど、予定変更。

扇龍の所へ戻った……