SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「てめえッ! 扇龍の新しい女だなッ!」

「ガキがッ! ナメた真似しやがって! 爆発物仕込むたぁ、いい度胸してンよなあッ!!」


……?

身元がバレてしまったから、ある程度は分かってたけど、ヒナの事を言ってるにしては尋常じゃない怒り加減……

男たちは訳の分からない事を言ってくる。


「……なんのこと?」

「とぼけんじゃねえッ!」

——ダアンッ!

突き飛ばされ、あたしは壁に激突した。



「テメエだろーが! くせえバック置いてったのはッ!」


髪を掴まれ、ガン! と壁に頭を打ちつけられる。


「あんまりクセえから燃やしてやったらこのザマだッ!」


強い力で今度は首を締められた。


……?

くせえバック? ……燃やした?



「ザケた真似しやがってッ!」
「扇龍がッ! 貴様ら全員タダで済むと思うなよッ!」


血走った目にドス黒いものが混ざりこむ。


「まずはテメエだッ! 女だからって容赦しねえッ!」

「処刑前にまずはそのツラぶっ潰すッ!」

——グワッ!

うなりをあげ、拳が顔面に迫ってきた。


"……ボス! ……ゴッ!"


今度はあたしも反撃する。

みぞおちを突き、前のめりになった男の頭にヒジ打ちを一発食らわせた。


「……う゛……」
「……っ、テメエッ!」


すかさず、もう一人が上から拳を振り下ろす。


——ガシ! ゴスッ!


あたしは男の腕をとる。
懐に入り込み、こちらも腹にヒジを一発。


「……ぐはっ…… 」


まだ二人の体は倒れない。


……ふ~ん。


試しにボディ接着バリアーなしでやってみたら、一撃ではどうやら無理っぽい。


「……てめえ……」
「只の女じゃねーな!」

すると、


「オイ! どうした!」


近づいてくる別の男の気配たち……


——ダッ!

あたしはとっさに走り出す。


「待てゴラッ!」
「必ず借りは返すからなッ!」


背中には、そんな声が飛んできた。