SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


————そして、翌日。


"ピチチ……チュンチュン"


——カチャ、


あたしは静かに玄関のドアを開ける。

ここは扇龍のアジトから目と鼻の先にある奏太の自宅。

レンガ造りの洋風家屋。大きな家には誰も家族は住んでいない。

その代わり、扇龍のメンバー数人と、ヒナもココに住んでいた。


「……はあ、」


時刻は午前4時。

ぼんやり明るい外を歩きながら、あたしは昨日の出来事を思い出す。



『事情が変わった。美空。お前は今後、扇龍が保護する』


あの後、覚悟したような眼差しで、奏太があたしにそう言った。


『……どういうこと?』


そんなあたしに返ってきた言葉は、


“ 狙われる ”

“ 危険だ ”


そんなような事ばかり。

“ 大丈夫だよ ” と気にせず帰ろうとした所、奏太にガッチリ腕をとられ、何故か怒られ呆れられ……

とにかくいろんなやり取りがあって、最終的にココに泊まれとあたしを自宅に連れて来たのだ。


……もう。


関わるなと言ったのに保護するとか、狙われるとか危険とか、訳が分からない。

狙ってくるなら狙ってこいって思うんだ。

足首のネンザも昨日よりはだいぶいい。

あたしは急いである場所へと向かった……


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やって来たのは"バキのアジト"

目的はもちろん、バックを返してもらう為。

……でも、


「…………」


あたしはボーッと立ち尽くす。


……なんで?


アジトが半分ふっ飛んでいる。

辺りには焼け焦げたニオイが漂い、くすぶった火と煙が、まだそこら中からあがっていた。


……?

不審に思いながらウロウロする。すると、


「なんだテメエッ!!」
「あッ! コイツ!!」


黒く汚れた二人と出くわした。

あたしを見た途端、男たちは目の色を変え、ギラギラ殺気を漂わせる……