SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし



……バイクは苦手だ。

うるさいし、それに、暴走族の乗るバイクは普通のと違って異様に目立つ。

あたしは普段、あまり目立った動きはするなと教えられている。だから、どうしても派手なものには抵抗があった。


「……はぁ、」


バイクか、バイク……


……?


……バイク……?


……バイ、ク……


……バッ……ク……?


「…………」


あたしはふと、ある事に気がついた。


「奏太。やっぱ送らなくていい。あたし、ちょっと寄る所があるんだ」


「……寄る所? どこだ」


「さっきのバキってやつのとこ。あそこにバック忘れてきたんだ」


「「「「……っ……!!」」」」


「じゃあ行く。さよなら」


あたしは出口の方へと歩いて行く。



「……うおおおーーいッ!!」


——ガシッ!


「お前っ! 今なんて言ったっ!」
「……ちょっと正気っ⁉︎」
「なに普通に行こうとしてんだよ!」


すごい勢いでテル、奏太、アオ、ハクに止められた。


「……どうしたの?」


「どうしたのじゃねーよバカッ!」
「バックには何が入ってたのっ⁉︎」


……?


「……えっと、いろいろ小道具が……」


「身元が分かるモンとか入ってたのか!」


……身元が分かるモン?

あたしはバックの中身を思い出す。


「……そんなの、入ってないと思うけど……」


「本当か⁉︎」


「うん。あれには小道具と、宿題と、生徒手帳しか入ってない」


「「「……生徒、手帳……」」」


「バカッ! おもいっきり入ってんじゃねーかアホンダラッ!!」


……?

何故か全員の顔が引きつった。