「美空。驚かねえから、このお兄サンたちにショージキに話してみンさい」
テルの口調がおかしい。
目をつぶったまま、テルは耳を傾けた。
……うん? ……正直に?
「壁ぶっ壊して外へ出た」
言われた通り、正直にあたしは質問に答える。
「「「……は⁉︎」」」
「ヘッ! そうだと思ったぜ! 壁ぶっ壊したか! なるほどな~」
「……おい! 何がなるほどだ! ありえねえだろそんな話!」
頷くテルに、ずっと黙ったままだった白い頭が反論した。
「……だから、ありえんだよコイツなら」
「……あ?」
テルは “ ハァ~ ” と息を吐く。
観念したように言葉を続けた。
「前にオレ拉致られたろ? 奏太にはオレがクタばらねえように窓から励ましてくれた女って言ってあったが……
あん時、コイツが手錠ブッちぎって壁ぶっ壊してオレを逃がしてくれたんだ。でけえナタを振り回してよ。
……わりぃ、どうせ信じねえだろうと思って、オレの武勇伝にしちまった」
「「……っ!」」
「ウソでしょ⁉︎ このコ、陽菜ちゃんよりも華奢だよ⁉︎ そんな事できる訳……」
「こいつナメんなっ! ハンパねぇ危険地帯のイカレ女なんだっ! 非常識デンジャラスクイーンなんだっ!」
「……テル! 女の子にそれはちょっと! ひどすぎると思うんだけど!」
……?
「……あれ。壁、壊したのテルじゃなかったっけ?」
「おめえが先に壊したんだろーが!」
「……そう、だっけ?」
あたしは首を傾ける。
すると、
「……ハァ~、」
深いため息が耳に届く。
「……マジか……」
見ると、奏太がうつむいて髪をわしゃわしゃかき乱していた。
「……つーコトは……」
ゆっくり頭が持ち上がる。
「……扇龍は二度、お前に助けられたという訳か……」
「……だ、な」
「……だねえ」
「……………」
……?
さまざまな表情の四人と目が合った。


