「……う~ん。外はパリッとしてて、中はやわらかい」
「……あん?」
「中の中はすごく熱い。でも、覚えたらまた会いたくなる」
「…………」
「……あ、あれに似てる! たこ焼き!」
「……たこ、焼き?」
「うん。昨日、湧人と買い物行った時食べたんだ。それがすごくおいしくて、また食べたいと思った」
「…………」
「また食べたい。また会いたい。なんか似てる。玉ちゃんと一緒!」
「 一緒って、 ……ブハハッ! 美空、おまえはやっぱり変わっとるのう」
噴き出すように玉ちゃんは笑った。
「……さあて……」
しばらくして、玉ちゃんは辺りを見回す。
「だいぶ暗くなってきたな。急ぐか」
玉ちゃんが言うようにもう辺りは薄暗い。
「うん」
あたしたちは足を早めた……
——ザッ、ザッ、ザッ……
しばらく歩く。
——ザッ、ザッ、ザッ、ザッ……
ひたすら歩く……
「「…………」」
ピタッと同じタイミングであたしと玉ちゃんは足を止めた。
“……ザワザワ……ホウ~……”
風が変わり、さっきまでとは違う空気が流れこむ。
不気味な感覚がスウッと体を駆けめぐった。
……見られてる。
あたしのESPがその気配を感知する。
暗闇に潜む何者かの息づかい。
荒々しく、猛々しい、血に飢えた……
————ウ゛ァオオオーーッ!!!
「「 ! 」」
現れたのはすごく大きなクマだった。
——ザシュッ!
鋭い爪が玉ちゃんの右半身を傷付ける。


