SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし



……?


「きらい?」


「……は? なに言ってんだよ婆ちゃん……」


「みーちゃんがうちさ来てくれたらぁ、婆ちゃんどんなに嬉しがったか〜。すまねえ、湧人がひどいこと言って……」


「だから婆ちゃん何言ってんの⁉︎ ひどい事って⁉︎ そんなのオレ言ってないしっ!」


「言ったでねえが! 好きでも嫌いでもねえって! そいづはつまり無関心ってことだんべ! 無関心ちゅーことは嫌いよりもさらに嫌いだってことだべさっ!」


「……はあっ⁉︎ そんな訳ないだろ⁉︎」


二人の口調が強くなる。


……あれ。

これって、もしかしてケンカ?


"ザワザワザワ!"


ご先祖さまたちの視線が集まる。

どうしたらいいか分からず、あたしも二人を見守った。



「婆ちゃん本当に残念だよぉ〜、湧人がみーちゃんをふるなんてえ〜」


「……ちょっ、いつオレがふったんだよっ!」


「選ぶ権利があるってえ、みーちゃんは選ばねえって言ったでねえがっ!」


「言ってないしっ! 婆ちゃん耳どうしたの⁉︎ おかしいんじゃない⁉︎」


「おがしいのは湧人だべっ! みーちゃんは天女さまだど! ないがしろにしてバチ当たりだべ! なしてめおとさならねんだ!」


「……なんでって……もうっ! だいたい早過ぎだろ! 今オレいくつだと思ってんの⁉︎」


「湧人はともがぐ、みーちゃんはもうすぐ16だべ! こんなええ子、16になったらすぐ誰がの嫁こに取られでしまうでねえの!

婆ちゃんあきらめきれねえよお~。湧人! せめで予約だげでもしでけろ! みーちゃん16さなる前に!」


「……はあっ⁉︎」


「今は嫌いど思ってでも、万がいちっちゅー事もあるべ?」


「……だから嫌いじゃ……」


「ああ~っ!!」


そこであたしが割って入る。


「もうやめて! 二人ともケンカしないで!」


二人を見ながらそう言った。


「……みく……」
「……みーちゃん……」


「お婆ちゃん! あたし16才にならない! 4年も変な力で15才が働いてる! お婆ちゃんの言うの分からないけど、あたしはずっと15才だから安心して! それと湧人! 嫌いのさらに嫌いの嫌いはすごく悲しい! あたしもっと勉強するからせめて嫌いになって!」


思うがままに一気に喋った。