「あのっ! なにか勘違いしてませんか! みくはこの家のメイドじゃない! ヘルパーじゃない! 女中じゃない! 奉公人とか家来とか召し使いでもない! だからみくにいろいろ言うのはやめて下さいっ!」
……ピンと空気が張り詰める。
『……ワシらは別に……』
『おなごを召し使いなどと……』
『すべては皆の為にと……』
ご先祖さまはシュンとした。
「……あ~、湧人、」
あたしは間に割って入る。
「ちがう。ご先祖さま、召し使いとは思ってないって」
ご先祖さまの言葉を伝えた。
「……じゃあ、なに? 何でみくにいろいろ言うわけ?」
「あ~、」
"ザワザワザワ"
あたしはご先祖さまの声を聞きとる。
「……えっと、ご先祖さまが言うには、それは……」
「それは?」
「それは、あたしと湧人がめおとになるため。花嫁修行だって、言ってる」
「……っ! はあっ⁉︎」
湧人はザザッと後ろへ下がる。
目を見開き、驚いた顔であたしを見つめた。
「湧人? めおとってなに? 花嫁修行って?」
「…………」
「……湧人?」
何故か湧人が固まってる。
「……湧人? どうしたの?」
すると、ビクッと体を上下に揺らし、
"ハア~ッ!"
湧人は空気のカタマリを吐き出した。


