SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし



「……D.S.P……」


「……?」


「D.S.Pの人なんですか?」


青白い顔を傾けて、薫がユラ~とあたしを見る。


「……あ~、」

「わりい、そういや言ってなかったな」


透がすぐに口をはさんだ。


「薫、こいつは天使 美空。D.S.Pつっても、クビになったから、もうD.S.Pじゃねーんだ」


「……クビ?」


「ああ。こいつの能力、あんま役に立たねーんだ、だから」


「……へぇ、」


「他に身寄りもいねーし、いろいろ心配なヤツだから面倒見てくれって親父が……」


「……お父さんが?」


薫は浮かない顔をする。


「……薫?」


「ふうん。あたしの事はどうでもいいくせに、美空さんの事は気にするんだ」


投げやりに言葉を吐き捨てた。


「……っ、どうでもいいって……親父がそんな事思ってる訳ねーだろ!」


「どうだか」


「薫っ!」
「じゃあっ!」


……?


「……どうして? ……どうしてお父さん、全然家に帰って来ないの?」


「……それは……おまえだって分かってるだろ? 親父の仕事は特殊なんだ。事件だっていろいろあるし、立場上の責任もある。忙しいんだよ」


「ウソ! お父さんはあたしが嫌いなの! 顔も見たくないの! だから家には帰らないし帰ろうともしないっ……お父さんはあたしが——」

——グラッ、

「薫っ!」

めまいを起こし、薫の体が崩れる。

力の入らない体を透はしっかり抱きかかえた。


「……薫、おまえ少し変だぞ、どうした?」

「……っ、 」


薫は唇をかみしめた。