「……でも、あんなのは初めてだった。まるで死神みたい……逃げても逃げても追いかけて来て……でも、どうして? あんなとんでもないのに襲われて、どうしてあたし助かったの?」
「……ん?」
透の瞼がピクッと動く。
「……お兄ちゃん?」
「…………」
考えるように視線を泳がせ、透はあたしの方を見た。
「……おまえ、さぁ、」
探るように口を開く……
「おまえ……そもそも、なんでオレをここに連れてきたんだ?」
「……あ~、」
「……まさか何か察知して……もしかして視えるのか? おまえにも、幽霊が……」
「……あ〜、 ……うん、」
少しためらいながら、あたしはコクンと頷いた。
「……っ、」
驚いたような透の顔。
同じような表情で少女もあたしを見つめてる。
「……何か、したのか?」
そのままの表情で透はあたしに聞いてきた。
「……え?」
「さっき……おまえがその死神に」
「あ〜、死神じゃない。でも、」
あたしは二人のそばに行く。
「これで、殴った」
黒水晶の数珠を見せた。
「……? それは?」
「黒水晶。霊にとってもよく効くんだ」
そのまま、少女の手首にそれをつける。
「あげる」
「……え? でも、」
「いいから」
「……どう、も……」
少し戸惑いながら少女はそれを受け取った。


