SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「薫っ! しっかりしろ! 薫!」


透は必死に呼びかける。
でも、まだ触手が少女に巻きついたままだ。


"グオオオ————ッ!!"


“ 只ならぬ者 ” は威嚇の声を張りあげた。
少女の生気を吸い尽くそうと、さらに触手を巻きつける。


「おい! 薫!」


"グワアアアア————ッッ!!"


あたしは、


"バチ————ンッ!!"


数珠でソレをぶっ叩いた。


"……ゴッ! ……キュウウ~ッ!"


たちまち影が砂のように崩れてゆく。


"……フウオ~~~……"


風に流れ、影はそこから消え去った。


……うん。この数珠やっぱすごいな。

改めてあたしはそう思う。すると、


「……っ!」


夢から覚めたように、少女は辺りを見回した。


「……薫⁉︎ 大丈夫か⁉︎」


「……お兄ちゃん? どうして……」


「……薫。 おまえ、また……」


「……あ、」


途端に少女が青ざめる。


「……やっぱりか」


顔を曇らせ、透は “ ハァ ” と息を吐いた。