「薫っ! しっかりしろ! 薫!」
透は必死に呼びかける。
でも、まだ触手が少女に巻きついたままだ。
"グオオオ————ッ!!"
“ 只ならぬ者 ” は威嚇の声を張りあげた。
少女の生気を吸い尽くそうと、さらに触手を巻きつける。
「おい! 薫!」
"グワアアアア————ッッ!!"
あたしは、
"バチ————ンッ!!"
数珠でソレをぶっ叩いた。
"……ゴッ! ……キュウウ~ッ!"
たちまち影が砂のように崩れてゆく。
"……フウオ~~~……"
風に流れ、影はそこから消え去った。
……うん。この数珠やっぱすごいな。
改めてあたしはそう思う。すると、
「……っ!」
夢から覚めたように、少女は辺りを見回した。
「……薫⁉︎ 大丈夫か⁉︎」
「……お兄ちゃん? どうして……」
「……薫。 おまえ、また……」
「……あ、」
途端に少女が青ざめる。
「……やっぱりか」
顔を曇らせ、透は “ ハァ ” と息を吐いた。


