SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


人のようで人でない、3メートルはゆうに超える “ 只ならぬ者 ” 。

これは人の念と弱い霊などが合体した、邪念、悪念といった負のエネルギーの集合体。

軸のない体は炎のように揺らめき、邪悪さを漂わせたオドロオドロしい姿となっていた。


"グワアアア~ッ!!"


獲物を見つけたソレは一気にこちらに迫ってくる。


「…………」

あたしは、


——ダダッ!


「あっ! おいっ!」


一目散に走って逃げた。


「……どこ行くんだよっ!」


だって仕方がない。


【マニュアル其の3、能力を人に見られるな】


その項目がぐるぐる頭を飛び回る。



「……はぁ、はぁ、」


あたしはひと気のないスーパーの裏手へ走りこんだ。


"ジジジジ"


ESP能力を全開にして、“ 只ならぬ者 ” が追って来るのを待ちぶせる。

……が、


「……あれ?」


……おかしい。

全然なにも追いかけて来ない。

あたしを狙ってたと思ったのに……

すると、


"ジワ~ッ"


右手のしるしが反応する。



「……!」


あたしは全速力で引き返した。