SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

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「——で、おまえはその友達の家で、そいつと婆さんの看病してたって訳か」

「うん」


花売り場前のベンチに二人。

あたしは腕組みをする透に、これまでのいきさつを話していた。



「……はぁ。だったら初めからそう言えよな。おまえに何かあると全部オレんとこくんだからよ 」


「……ごめん」


どうやら電話が切れたあと、黒木が速攻で透に電話したらしい。

チームESPの一人が探査能力を使い、だいたいのあたしの居場所を教えたみたいだ。


「……まあ、無事で良かったよ」


透は誰かに電話する。でも繋がらないのか、すぐにメールを打ち始めた。


「…………」


あたしは横目で透を見る。

相変わらずのキリッとした顔。

黒でまとめた服装は、制服の時よりもずっと大人っぽく見えている。



「……で、何やってたんだよ? 買い物か?」


メールが終わると、透はカラの買い物カゴに目を向けた。


「うん。でも、よく分からないんだ」


あたしは手元のメモを見る。

すると透はパッとそのメモを取り上げた。


「……なんだこれ? ベラ? よしたけ? あまずらせん? ……は? 熊の手だぁ⁉︎ おまえ、ふざけてんのかよ!」


「……? ふざけてない」


「熊の手とか、どんなゲテモノ料理だよ! そんなモン売ってる訳ねーだろ!」

——カサ、

メモが返される。


「……そうなの?」

「……ったく、」


透は大きくため息をついた。