「……婆ちゃんは?」
「大丈夫。今、また眠ったとこ」
「そっか。婆ちゃんいつも長引くんだ。咳とかなかなか治らなくてさ」
「うん」
「いろいろ、ごめん。婆ちゃんの事も、オレの事も……」
「ううん」
「看病、大変だっただろ?」
「それは、みんなが教えてくれたから。あたしは何も分からなかった」
「 ! 」
ピクッと湧人が反応する。
「……みく、話してくれる? 今言った事、さっきの事も。一体どういうこと?」
「……あ~、実は……」
それからあたしは、ご先祖さまが来ている事。ご先祖さまに看病を教えてもらった事。湧人が霊を跳ね返す体質だという事を話した……
「……オレが、霊を弾く……」
たどたどしい説明が終わると、湧人は呆然とつぶやいた。
「二年ぐらい前。突然って。拒絶じゃないかって、ご先祖さま」
「……二年前、 ……拒絶……」
少し考えてから、湧人は “あっ” と小さく声をもらす。
「……そっか。そういう事か」
納得したようにうなずいた。
……?
「湧人? どういうこと?」
「うん。ほら、前に言ったろ? 母さん死んでからいろいろあったって。
オレ、その時人間不信でさ。それこそ神や仏も何もかもを拒絶してた。
その拒絶が原因でそうなったって言われれば、“ ああ、そうなんだ ” って、自分でも納得するっていうか……。
変なの。拒絶とか、今は全然そんな事ないのに」
目を伏せ、湧人は苦笑した。


