SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

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   今日→マイナス→ESP

   先月→プラス→バリアー

   ◯月→プラス→バリアー

   ◯月→マイナス→どっちも好調

   〃 〃 〃

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「ミクう? 前に一樹が言ってた、陰と陽のハナシ、覚えてるかぁ?」


「あ~、うん、」


"陰"と"陽"


"陰"はマイナス。


欲にまみれた人間の思惑によって作り出されたのがESP。


"陽"はプラス。


伯耆坊と融合した事で覚醒したのがバリアー。



「 ミクは陰と陽、二つの“気” が混ざり合う特殊な体質なんだよな。 んで、一樹いわく、異変が起きんのは満月の何らかの力が、二つの気のバランスを乱すからだって言ってたダロ? 」


「……うん 」


「でも、これまでのミクのデータ見てて、オレ思ったんだ。乱されてんじゃなくて、感化されてんじゃねーかってヨオ~。 だからESPかバリアー、どっちかの不調次第でその影響に差が出るんじゃねーかと……」


「……? どういうこと?」


「つまり、バリアーが好調な時は体はプラスの気で溢れてるってコトだ。 その状態で満月を迎えると、ソレが呼び水になってプラスの気が膨張する。……それが逆で、ESPが好調な時は体はマイナスの気で溢れるから、満月でソレが膨張する 」


「……うん?」


分かったような、分からないような。


「ン~。カンタンに言うとお~、ESPが好調だとマイナスの反応。バリアーが好調だとプラスの反応になるってコトだ」



「……へえ~、」


シンプルに言われた方が分かりやすい。

いつもとは違い、かしこい黒木に、思わず目が釘付けになった。