SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし



「…………」


……そんな……


この状況で帰れって言われても……


……気になる……


あたしはテルの後を追いかけた。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


"……ガチャガチャ……"


南京錠をいじるのは、派手なランニングシャツを着た男。


「……つーかお前早くあけろよ!」


そのすぐ後ろには40人ほどの男たち。

その中の長い棒を持った男が、引きずるように誰かの首根っこをつかんでいた。


「 暗くてよく見えねえ 」
「 面倒くせえ! もうココで殺っちまおーぜ!」


すると、首をつかまれていた男が顔を上げる。


「 言ったはずだっ! オレを殺るならテルを自由にしてからだっ!」


男は強い口調で言い放つ。


「……はあ~ん?」


首をつかんでいた男は、さらにその手に力を込めた。


「……ぐっ!」


「 扇龍のヘッドさまあ? オレらに命令するの、ヤメてくれますぅ~?」

「 オレらどーしても見てーんだよなぁ。扇龍のヘッドのプライドがズタズタに引きちぎられる様をよおっ!!」

——ビュオッ!

勢いよく木の棒が振り下ろされる……


「……奏太っ!」

——ガシッ!

陰で身を潜めていたテルが飛び出し、素手でそれをガッチリつかんだ。


「「「……!」」」

「あ゛あ゛⁉︎ なんでコイツがここに!」


一瞬動きを止めた後、確認するように覇鬼たちはじろじろテルを見る。


「……テル、お前、捕まってたんじゃねーのか」


「 へっ、ちょっとな。手錠ブッちぎって壁ブッ壊して出てきてやったぜ!」


「……ほう。そいつはたくましいな 」


「 ヒヒッ、」


「 ククッ、」


テルたちが笑い合うと、覇鬼たちは警戒するように後ろに下がって距離をとった。