SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし



「……チッ。よくもまあ、あんなトコから。ならさっさと行きやがれ。覇鬼のヤツらに見つかったら、おめえひでえ目にあうぞ」


「 だからバキって? ひでえ目って?」


「 知らねーのかよ⁉︎ 覇鬼は全国でも有名な極悪鬼畜の族ヤローだ 」


「……ぞく?」


「 最近は特に歯止めがきかねえ。わざわざ一人になった隙を狙うとはなぁ 」


「……?」


「……とにかく、ヤツらに捕まってみろ。おめえなんて格好の餌食だ。骨の髄までシャブられて、徹底的にオモチャにされんぞ 」


「……しゃぶ?」


「 オラ、とっとと行け!」


坊主はアゴを使ってあたしをうながす。

"ワンッ!"

モコちゃんもきょろきょろ首を動かした。


「……わかった。 じゃあ、行くね 」


モコちゃんを抱っこし、あたしはスッと立ち上がる。


「 おう、たっしゃでな 」


あたしを見る事なく、坊主はフイッと横を向いた。


スタスタと、あたしは窓の方へ歩いていく。

……でも、


「…………」


またすぐに坊主の所に戻った。


「……あ? どうしたよ?」


坊主が不思議そうに横目で見る。


「 あのさぁ、窓に手が届かないんだ。坊主、台になってくれない?」


「 あ゛⁉︎ 誰が坊主だコラ!」


「 おじさん 」


「……おじっ⁉︎ てめーふざけんじゃねーぞ! オレはまだ18だっ!」


「 ふ~ん。そうなんだ 」


……坊主が怒ってる。

坊主に坊主って言ったら怒るのか。