SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし



……なんて書いてあるの?


すると、


"ジワ~ッ……フッ、”


右手のしるしが浮かび上がり、その後すぐに消えてしまう。


……ふむ。


「 ねえ、どうしたの?」


あたしは、緑の帽子をかぶった小さな男の子に声をかけた。

どうやら今度はこの男の子の力になれと、しるしは示しているようだ……


「……ううっ、」


男の子が涙ぐむ。


「……どうしたの?」


もう一度聞いてみると、男の子はポケットから写真みたいなのを取り出して、それをあたしに見せてくれた。

そこに映っていたのは一匹の犬。


「……グスッ、モコちゃんが……モコちゃんがいなくなっちゃったの 」


男の子は肩を揺らし本格的に泣き始める。


「 あ~、」


あたしはもう一度その写真をのぞき込んだ。

クリクリの黒い目をしたその犬は、茶色で、その名の通りモコモコとした毛で覆われている。

しばらく見つめ、あたしは犬の顔、形をしっかり頭に焼き付けて……


「 わかった。あたしがモコちゃん見つけてあげる 」


男の子にそう約束する。


「……え?  本当⁉︎」


「 うん。あたし得意なんだ、探すの。だから、キミはお家で待ってて。きっとモコちゃん帰るから」


「……うん!」


男の子の背中を見送り、あたしはスッとその場を離れた。