————数日後。


【 マンション四階トレーニングジム 】


"ザシュッ、ザシュッ、ダムッダムッ!"


あたしは、吊り下げられた大きなサンドバッグに蹴りを入れ、何度も拳を打ち込んでいた。


"ダンッダンッダンッ! バシュッ!!"


いくら打っても、気が治まらない。

ますます力がみなぎるようだ……


「……ぐっ!」


今日は満月。

ぽっかりと夜空に浮かぶソレは煌々と金色の光を放っている。

あたしは“シャ” とカーテンを閉じた。


「はあっ! ……はあっ!!」


湧き上がる激しい高揚感、荒ぶる気性があたしの体を震わせる。


「 あっ! うぐっ! 」


今日はプラスの反応だ。
鏡に映る自分に狂気の色が入り混じる。

静電気を帯びたように髪の毛は逆立ち、瞳はさらに赤みを増している。

激しい闘志は火柱を立て、あたしの弱さを焼き尽くした。


「……っ!」


凶暴的野心が縦横無尽に駆けめぐる……