「……で、今までどこで何してたんだよ?」


腕組みしながら透が見下ろす。


「 寝てた 」


「 はあ? おまえふざけてんのかよ!」


「……熱が、あって 」


「……熱?」


「 だから、友達の、家で……」


透は急に顔色を変え、さっとあたしの額に手をふれた。

もう片方の手は首のうしろで固定される。


……?


「 もう熱下がったけど?」


あたしが言うと、透は“はぁ” と息を吐いた。


「 おまえ、いろいろ心配させんじゃねーよ…… 」


さっきの荒々しさから一変、透は脱力したような弱々しい態度を見せている。


「 ほんと、オレに頼ってこねーのな 」


ぽつり、あたしにつぶやいた。


……?


「 透、頼るなって言った 」


「頼れよっ! 困ってたんだろっ!」


「……?」


透が真剣な目を向ける。

凄みさえ感じられる、その目力……