SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


斜めうしろから声が聞こえて振り返る。

そこには太った金髪の男がいた。

男は何かを踏みつけている


「————ッ!」


……お父さんと、 お母さんだった……


「……あ、ああっ、あああ……」


大きな血だまりの中に、二人、身を重ねて

もはや、生きた証さえ塗りつぶしてしまうぐらい……

体はたくさんの血で染められて……



「きゃああああああぁぁっっ!! お父さんっ! お母さんっ!! いやあああああああああーっ!!」


泣きわめくあたしの額に、白衣の先生が人差し指をあてる。

すると、頭の中がチカチカして……


……っ!

お父さんとお母さんが姿を見せた。