SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし



「 いやね、変なこと言って。他に誰もいないじゃない 」


お母さんがクスリと笑う。

でも、あたしには視えていたのだ。

パジャマを着た数人の子どもたちと、杖をつくおばあちゃんの姿が……


眠りに落ちる前、何故かニヤリと笑う先生と目が合った。

背中にゾクッと寒気が走った……


————————————
——————————————
————————————


どのくらい、時間が経ったの?


「……⁉︎」

生温かい水が降ってきて、あたしは目を開ける。

すると、


————ッ!


「……ひっ!!」


……どう、して……


白いベッドが、壁が、天井が、


真っ赤に……なっている……



「 ヒヒ、おまえは今日からウチの所有物だ 」


腕組みをしてニタニタと笑っているのはさっきの先生。


「 さすがカイドウ! だよねえ、霊感ある奴に実験してみるのも、おもしろいよねえ 」