君はいつも僕の前に行く。
僕はその君を追いかけようとするけど、そんなことできない。
なんでかって?
君のほうが僕よりも数倍上だから・・・。

一章「見えていない」

僕の名前は村上 翔(むらかみ しょう)。
高校1年生で入学したばかりだ。
僕には昔ながらの幼馴染がいる。
中村 空(なかむら そら)という、イケメンで運動も勉強もできる。
そして、誰とでも気軽に話し、女子にはとても優しい。
つまり、完璧な人だ。
それに比べて、僕はイケメンでもない勉強もあまりできない運動もできない、人とコミニュケーションも取れない愚か者だ。
そんな僕と一緒にいてくれたのが空だ。
僕のそばに空がいると、色々な人が集まってくる。だけど、みんな僕じゃなくて空のほうにしか目、口を向けない。
僕のほうには一切向けない。
そう、教室の隅の窓で僕はずっと考えてきた。
すると、後ろから誰かに押された。
「おい!翔!なにしてんだよ~」
空だ。
「いや、考え事してた」
「なんだよ~考え事って~」
「いや、たいしたことないから大丈夫。」
「おいおい、相談しろよな?俺ら親友だろ。」
そういって空は僕に微笑みながら言った。
「んー・・じゃぁ・・・」
僕が、「じゃぁ、どうすれば空みたいにみんなと仲良くなれるの!?」と、言おうと思ったとき・・・。
「ね~空~今度プールいかなぁい?」
僕と空との話をさえぎって、ギャル系の女子名前は沢村 あき(さわむら あき)。
「んだよぉ」
空がいやいやそうに返事をする。
「今度二人でプールいこうよぉ!」
あきがそう言っていると周りの男子や女子が集まってきて。
「え~俺らもいきてぇ!」
「ずる~い!じゃぁ私も!」
次々と声が上がってくる。
「まてぇい!そんなに俺ことが、好きなのかいっ!」
空がどや顔でみんなの真ん中で言った。
すると、
「私が空をさそったの!!みんなはこないでよ!」
とあきが不機嫌そうに言っている。
みんなは、
「はああ!ずりぃ!あきだけそんなの!なぁ!空いいよな!俺らも行って!」
ニコニコしながら空に問いかけてる。
すると、空が。
「しゃーねーな。いいぜ!翔もいこーぜ!」
すると、周りの人が嫌そうな目で僕のほうを見る。
だから僕はこういうしかない、
「ごめん、ちょっと用事あるからパスするよ」
空は、
「え~なんでだよぉ!毎回用事ばっかじゃねーか!」
「ごめんってば。」
「ちぇっ」
そういって、空はみんなのほうに行って、いやいやそうだけど、楽しそうに予定を決めている。
空のいやいやは、僕にとってはまぶしい。
なんでかって?
みんなと話せているからさ。