居場所か......。うちの居場所なんてあるんだろうか。いいバンドも見つからなかった。

「あーあ...。ついに来ちゃったよ...。」

いつもは、うるさい賑やかな部室もなんだか静かだった。
そう...来てしまった......。
結局は戻ってきてしまった。追い出されるかな......。

静かに部室の扉を開いた。誰もいなかった。

「ん......あれ.....。」

いつも ベースの手入れをしている有衣も 愛唯もいない。
それにしては、アンプや楽譜が散らかっている。

中に入ると 夕方のせいか、太陽の日差しが差してドラムが光っていた。

ロッカーからスティックを取り出しドラムを叩いてみる。

「うわぁ...。めっちゃチューニングズレてるー。」