でも、もし…


「 あたしが留年したら? 」


「 また1年待つのは無理。その時は学校だろうが遠慮なくするから 」


「 するって何を… 」


「 なに、俺に言わすの?言っちゃっていいの? 」


笑いながら意地悪で悪魔のような顔が徐々に近づいてくる。


そしてあと2.3cmのところで止まると
慌てて目を閉じた。


「 ふっ…、可愛いやつ 」


頭にポンッと手をおいて微笑む。


「 よし、今日はいつも以上に美味しい料理作ってやるよ。お祝いも兼ねて 」


その日の夜は千紘の手料理を残さずすべて食べ終えて、リビングでゆっくりした後


最後の夜を1分1秒大切に過ごした。