「 千紘寝てたよね?起こしてごめんね」
「 ……別にいいよ。寒くない? 」
「 寒くない… 」
寒さを遠ざけるように、そして愛を感じさせるように互いを抱きしめ、眠りについた。
チュッ
おでこに触れた彼の唇を
噛み締めるように…
早朝、朝とは思えない薄暗さの中、明かりをつけてキッチンに立つ。
「 よし、作るかっ 」
前に購入していた料理の本を参考に、冷蔵庫にあったもので朝食を作っていく。
慣れない手つきで作り始めて2時間半___
「 ………綺帆ぉ…? 」
夜が明け、カーテンの隙間から差し込む朝日の光を避けて、眠たそうに目をこすりながら歩いてくる千紘。


