「 あたしさ、元々友達いなくて… 」
「 …えっ… 」
明るくて常に元気なイメージの麗奈さんが急に語り出す。
「 一人っ子で遊ぶ相手もいなくて、唯一楽しかったことが絵を書くことで。部屋にあった雑誌の服を真似して書いてみたのがきっかけで、ファッションに興味が出て、いつかデザイナーになりたいって思うようになったの 」
ゆっくり自分のことを話し始める麗奈さんの表情は、どこか切なく見える。
「 親の反対を押し切って、服飾の専門学校に入って卒業して、就職したんだけど…なぜか満足しなくて…。いろいろ悩んでた時に千紘と出会ったんだ…… 」
彼女の口から出る " 千紘 " というワード
過剰に反応する自分がいた。


