あたしたちは知っていた。
あの後、先輩が自主退学したことを。


翠が言うには、千紘が先輩と2人で話をしたらしい。


その直後に先輩自ら、自主退学を選んだみたいだ。


どんな話をしたのかなんてわからない。

正直、また先輩と廊下とかで偶然会ったりした時はどうしよう…って考えると怖かった。


でももう会わなくてすむ。
そう思うと、少し安心してる自分がいた。


「 そういえばさ、あの後、先生とはどうだったの? 」


隣でニヤニヤしながら聞いてくる翠。


「 なにその顔。何もなかったよ! 」


なかったことに少し寂しくなる…