「 服、ありがとね 」


そう言って千紘の隣に座った。


シーンと気まずい雰囲気が続く_____


何か喋らなきゃ……


「 綺帆、無理して喋らなくてもいい。少しずつでいいから、あの時言ってた " 田村さん " って人の話聞かせてくれるか? 」


聞こえていたんだ…


でも千紘なら、千紘なら大丈夫。



今まで自分の心の中で封印してきたあの日の出来事。


今ならきっと、話せるはず_____



涙が出そうになる前に目を閉じて、フーッと大きく深呼吸をする。




「 中学生の時だった…… 」