「 綺帆っ!!! 」
聞いたことのある、愛しい人の声…
ゆっくり目を開けると、勢いよくドアを開けて走ってきたのかと想像できるほどの息切れをした千紘の姿。
その後ろから着いて行くように走って来た翠。
2人を見た途端、涙が溢れ出す。
険しい顔をした千紘があたしに乗っかっている先輩を突き飛ばすと、お姫様抱っこをするようにあたしを抱きかかえた。
そのまま教室を出ると翠が先輩の前に立つ。
____バチンッ!!
「 最っ低…!あんたみたいな人と付き合ったあたしも最低よ。自分を恨みたくなる…もう二度とあたし達の前に現れないで!!…絶対に許さないから…! 」
思いっきり先輩の頬を引っ叩く翠。
怒りと悲しみ、悔しさが消えないまま教室を後にした。


