Rain Days

「そろそろ行くか」


卓麻の言葉に、あたし達は学校を後にする。

小学校、中学校、高校と一緒に過ごしてきた。

あたし達にとって学校とは、たくさんの時間を過ごしたかけがえのないモノだ。

だけど学校がなくても、あたし達の過ごしてきた時間は失くならない。

いつかは皆、バラバラな場所へと旅立つ。

それがみんなより少しだけ、早かっただけだ。

でも、過去は失くならない。

今日まで生きて来た道(過去)は、存在する。

もう、ここに来ることはないかもしれない。

それでも、大丈夫だ。

あたしは、どこにいても独りじゃない。

離れても一緒に過ごした時間が、明日のあたしの糧となる。