Rain Days

あの事件が起きて、あたしの世界の色は消えた。

でもみんなのおかげで、あたしは助けられた。

だから今も、笑って居られるんだと思う。


「ありがとう」


素直に口から零れた、彼らへの感謝への言葉。


「たぶん。今のあたしがみんなと同じ価値観で居られるのは、みんなと過ごしてこれた時間(蓄え)があったからだと思う。だから、ありがとう。傍に居てくれて」

「なんだよ、いきなり。それに、礼を言われることなんてしてねぇよ。みんなあおいと居たいから一緒にいた。それだけだ」


いつもふざけてるくせに、サラッと良いところを持っていく孝則。


「そうだよ。これから先も、一緒に居れるときはみんなで過ごそうよ」


雪乃の言葉に、あたしは笑顔で頷いた。