Rain Days

「でも、あの事件のこともあるのかなぁって。あおいのことを、素直にさせないのは」


あの事件、か。


「本心はたぶん、拒絶されるが怖いんだと思う。怖いから、先に突き放したんだと思う」

「何も言わず、突然居なくなったもんね。碧斗」


小学生の子供が、全てを決める権限なんてない。

そこには、あおの両親の気持ちもある。

真実と事実は、紙一重。

あたしが知って居る事実は、突然あおが居なくなったと言う事。

その陰に、何があったのか?

それはあお自身に聞かなければ、わからないこと。

だけど知る前に、あたしはあおに嘘を付いた。

それは、あたしが事実から目を逸らしてしまったのが原因だ。

このままだったら、あたしは真実を知ることなんて出来ない。