Rain Days

「嘘、ついた」

「嘘?」

「あおに感づかれた時、違うって答えた」

「なんで?!」


元々大きな瞳を更に見開き、雪乃は尋ねる。

あの時、何故か咄嗟に嘘が出た。


『誰かと、勘違いしてません?』


でも、今となってはわかる。

あたしは、怖かったんだ。


「あたしが知ってるあおは、泣き虫で弱虫で、いつも後ろに居た」

「違ってた?」

「うん。まるで別人。今のあおに、あたしは必要なさそうだった」


それだけ、時間が流れたと言うことなのだろう。


「あおいは、碧斗に何を求めてたの?」


え?

雪乃の問いに、あたしの志向が止める。