Rain Days

不機嫌な雪乃の機嫌取りをすることもなく、くだらない言い合いをする。

最後に折れるのは雪乃の方で、シャワーを浴びに部屋を出て行った。

それから少しして、髪を濡らした雪乃が戻って来る。


「髪くらい、乾かして来れば良いのに」

「夏だから、すぐ乾くし」


タオルで軽く髪を乾かし、あたしが座って居たソファに腰を下ろす。


「久しぶり」


嬉しいのか、笑顔でそんな言葉を掛けられる。

それが、少しだけ歯がゆい。


「愛しの碧斗に、会えたらしいじゃん」


卓麻に聞いたのか、全てを知って居るような言葉。


「まぁね」

「なら、楽しい高校生活をエンジョイしてんだ」


雪乃の言葉は、あたしは小さなため息を零す。