Rain Days

「後、竜也とも」

「竜也?」


理沙のことは理解できる。

でも、なぜ竜也も?


「竜也と理沙は、同じ環境で育ってきた」


卓麻はあたしから書類を奪うと、パラパラと捲り、あるページを見せてくる。

理沙と竜也は、幼少期から施設で育っていた。


「立場は違えども、あの2人にしか理解できない世界がある」

「それで?」

「もしも、理沙と揉めた時。竜也は理沙側につく」

「別に、あたしは構わないけど」


理沙と揉め事を起こすつもりはない。

でも仮にそうなったとして、だから何?


「竜也は白狼会の人間だ。もし竜也が白狼会を動かし、あおいを敵と見なした時。必然的に、碧斗はあおいの敵になる」


あおが、あたしの敵に。