Rain Days

でも、あおが白狼会のトップだとは。

これっぽっちも、想像してなかった。

自然とため息が零れた。


「あおい」


卓麻はあたしの名を呼ぶと、真剣な瞳でこちらを見る。


「こいつらに、深入りし過ぎるな」

「どうしたの、急に」


あたしは茶化すように、小さな笑みを向けた。

卓麻の言葉の意味を、理解できなかったわけじゃない。

わかっていて、誤魔化そうとした。

だが、卓麻は見逃してくれなかった。


「全員とは言わねぇよ。碧斗は、あおいが待ち続けた相手だしな」


卓麻は、あたしの過去を知っている。

だからこそ、あたしのことを止めようとしている。


「だけど、理沙とだけは一定の距離を置け」


やっぱり。