Rain Days

だから人は迷い、間違いも起こす。


「それでも、碧斗はその子と出会うまで探し続ける」


なぜ、碧斗はあたしを探しているのだろう。

知りたいけど、知りたくない。

碧斗に、拒絶されるのが怖い。

自分で、碧斗を突き放したくせに。

あたしは、ホントにズルい人間だ。


「誰かが、止めてあげたら?」

「人の言葉を聞くくらいなら、5年も探さないだろ。それがわかってるから、誰も碧斗に何も言えない」


ヒデは視線を窓の外へと移し、空を見上げる。


「恋愛なんて、みんながみんな幸せになれねぇように出来てる」


どこか諦めたような口調で、ヒデは独り言のように呟いた。