Rain Days

「碧斗、もう5年以上もその子のことを探してるんだよ」


5年と言う月日は、もうと言われるほど長い年月なのだろうか?

10年も待っていたあたしは、時間が麻痺していてよくわからない。


「あおいなら、どうする?」

「何が?」

「会えるか会えないかわからない相手のこと、5年も探し続ける?」

「探さない」


探すってことは、期待してるから。

期待するから、落胆する。

それが嫌だから、あたしはただ待っていたんだ。


「普通、探さないよな。探したところで、会えるなんて保証ないのに」


ヒデの言葉は正しい。

だけど正論だけじゃ片づけられないことが、この世界にはたくさん在りすぎるんだ。