Rain Days

お礼に付き合ってと、自分で言ったではないか。


「あ、そう言えば」

「今度は何ですか」

「碧斗と知り合いなの?」


彼の名に、ザワつく胸を必死に誤魔化す。


「いいえ」

「なら、また例の勘違いか」


またと言う事は、以前にもあったのだろうか。


「君の名前が悪い」


うんうんっと、ヒデは頷く。


「人の名前に文句付けないでください」

「ごめん、ごめん」


全く悪びれた様子も見せず、謝罪の言葉を口にした。


「碧斗の探し人も、あおいって言うんだって」


聞いても居ないのに、ヒデはペラペラと話し出す。


「この日本だけでも、何人居るんだよって話だよ」


ホントだ。

あおいだなんてありふれた名前、どこにでも居る。