Rain Days

意外と呆気なかった。

たぶん、これでもう何もできないだろう。

これからのことを考えたら、犯罪なんて犯したくなんてないだろうし。

結局、みんな自分が1番可愛いんだよ。

みんな、余計な傷を背負いたくないのだから。



「あおい!」


息を切らしたヒデが、走って来る。


「もう付きまとわないじゃなかったっけ?」

「そんなことより」


いやいや、約束はちゃんと守ってほしいんだけど。


「大丈夫か」

「何が」


ヒデは真っ直ぐにあたしの顔を見ると、赤くなっているであろう頬に眉を細める。


「誰にやられた」


眉を細め、怒りを含んでいるような口調で尋ねられる。