Rain Days

「ホントに、俺の人違いか?」


彼は、あたしの背に問いかける。

それに、あたしは返事を返さない。

ううん、違う。

返す言葉が、見つからないんだ。

あたしは彼自身に、背を向けてしまった。

もう、どうしていいかわからない。

あたしが探していたのは、昔のあおだったんだ。

あの泣き虫で、弱虫なあお。

でも再会した彼は、あたしが全く知らない彼だった。

いつもあたしの後ろを歩き、守れていた彼じゃない。

それはまるで、今の彼にあたしは必要ない。

そう、言われているようだった。

だから拒絶させる前に、あたしはあおを突き放したんだ。