胸が張り裂けそうなくらい、苦しくなった。

あんなに待ち続けていた日が、まさかこんな形で来るとは。

そう思ってしまうあたしは、どんな再会を望んでいたのだろうか?

でも少なくても、こんな形ではなかった。


「あおちゃん」


彼は昔と同じように、また名を呼んだ。

でも、あたしは呼んであげられなかった。

そして、あたしは嘘を付いた。


「誰かと、勘違いしてません?」


必死に平然を装い、振り絞る声で。

彼は切なげに顔を歪め、乾いた笑みを零した。

そして名残惜しそうに、掴んでた腕を離す。


「・・・悪かった。人違い、したみたいだ」


彼は落胆したように、その場に立ち尽くす。

そんな彼に再び背を向け、あたしは歩き出した。