重い体と沈む心に鞭を打ち、真新しい制服を身に纏う。


「前の制服の方が可愛かった」


越してきてから、文句しか口から出てこない。


「戻りたいなぁ」


ふと浮かぶ、前の学校の友達の顔。

みんなは、何一つ変わらない新学期を過ごそうとしているのだろう。

なんか、ムカつく。

あたしは携帯を手に取り、まだ寝ているであろう彼らに連絡を入れる。


”む”

”か”

”つ”

”く”


みんなに一文字づつ。

みんなで集まればわかる、遠回しの悪口。

それに少しだけ、笑みが零れた。

やば!そろそろ行かなきゃ。

鞄の中に適当にモノを詰め込み、急ぎ足で家を出た。